ピロリ菌検査と除菌治療

ピロリ菌について

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、人の胃の中に感染する細菌です。
免疫が発達段階にある2歳頃までに感染し、その後感染している状態が続きます(持続感染)。
大人になってからの感染も稀に見られますが、一過性の感染であることがほとんどだと言われています。

原因・感染経路について

井戸水を飲んだことによる感染がもっとも大きな原因と言われています。つまり、衛生環境の整った現在では、幼少期の感染・その後の持続感染は大きく減少しています。
ただ、親から子への口移しなどで感染しているケースがあるとされています。実際に、現在も10代で約10%、20代で約20%のピロリ菌感染が確認されています。

ピロリ菌の検査を行っております

さまざまな病気との関連性を指摘されるピロリ菌

ピロリ菌感染は、慢性胃炎、胃がん、胃・十二指腸潰瘍などの病気との関係を指摘されています。これらの予防のためにも、ピロリ菌の検査、そして必要に応じた除菌治療が大切になります。

ピロリ菌の検査の種類

内視鏡を使った検査 詳細
培養法 胃粘膜を採取してすり潰し、ピロリ菌に適した環境で培養し、判定します。
迅速ウレアーゼ試験 胃粘膜を採取して、ピロリ菌が 持つウレアーゼへの反応液を添加し、判定します。
組織鏡検法 採取した胃粘膜組織に特殊な染色を 加え、顕微鏡で判定します。
内視鏡を使わない検査 詳細
尿素呼気試験法 診断薬の服用の前後で呼気を採取して判定します。
抗体測定 血中または尿中のピロリ菌に対する 抗体の有無を調べ、判定します。
糞便中抗原測定 便の中のピロリ菌の抗原を調べ、判定します。

ピロリ菌の除菌治療について

一次除菌では、1日2回、1種類の胃薬と2種類の抗生剤を服用し、これを7日間継続します。再度検査を行い、十分に除菌ができていればここで治療は終了です。
十分な除菌ができなかった場合は、二次除菌へと進みます。薬の種類を変えて同じように7日間の内服を行います。
それでも不十分という場合には、3次除菌が行われます。なお3次除菌以降は、健康保険が適用されません。

除菌治療の必要性の判断

ピロリ菌の除菌には、慢性胃炎、胃がん、胃・十二指腸潰瘍などの病気の予防という目的があります。
しかし、年齢や体の健康状態、持病の有無などによっては、除菌治療を行うメリットが小さいというケースもあります。
たとえば、80歳の患者様で、ピロリ菌感染が認められるものの、胃潰瘍、ひどい胃炎、リンパ腫などがないのであれば、除菌治療のメリットは小さいと言えます。
当院では、お一人お一人の患者様の現状を総合的に考えた除菌治療の必要性についてアドバイスいたします。

一番上に戻る
TEL.072-280-7005 WEB予約 TEL.072-280-7005 WEB予約